レイモンド・ローウィの蒸気機関車
コロコロコミック２０００年９月号４０ページに、メガキャリバーのイメージスケッチが小さく載っていました。
その中の蒸気機関車がこれです。
アメリカのペンシルヴェニア鉄道の、S-1型高速旅客列車用機関車。
６０００馬力、最高時速１２０マイルのパワーで、
ゲーム室や子供室のあるラウンジ車や豪華な客車を走らせました。
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コロコロでは「２０世紀初頭の蒸気機関車」と紹介されていますが、実際はレイモンド・ローウィという人が
１９３７年にデザインしたものです。
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レイモンド・ローウィは、１８９３年生まれの有名なインダストリアル・デザイナーです。
「美しい良きデザインは機能にそったもので、商品のコスト高をきたすものではない」
という斬新な発想で、電気冷蔵庫や掃除機、自動車、さらにはデパートやスーパーマーケットまで、あらゆる分野で活躍しました。
タバコのラッキーストライクやピースのデザインは、今でもそのまま使われています。
上段が旧型、下段がローウィのデザインです。違いがよく分かります。
こちらの方が、メガキャリバーに近い感じがします。
これらの写真は、ローウィの自伝
「口紅から機関車まで インダストリアル・デザイナーの個人的記録」
Never Leave Well Enough Alone
（レイモンド・ローウィ著、藤山愛一郎訳、鹿島出版会発行、１９８１年３月刊）
によりました。
ローウィの活躍した１９３０年代のアメリカといえば、１９２９年のニューヨーク株式市場の株価暴落に端を発する「世界恐慌」から、
１９３３年の「ニューディール政策」にかけての暗い時代だったはずです。
ですが、この自伝の中では明るい成功体験ばかりが語られています。
デザイン論の古典として有名な本ですが、このような面からも大変興味深く読む事が出来ます。
訳者の藤山愛一郎は、１９５３年の初版当時は日本商工会議所の役員で、
その後政治家に転身された、これまた有名な方です。